消えていったもの
眉毛すらもなくなった。
理由を、とにかく探していた。
- 何が悪いのか
- 何が起きているのか
この状態に慣れることが、どうしても嫌だった。
慣れてしまった先に、
惨めな未来が見えていたからだ。
円形脱毛症を通り越し、
全身脱毛症になったという事実には、
できるだけ目を向けないようにしていた。
朝、目が覚めるたびに思った。
「戻っていないだろうか」
でも、その朝は
一度も来なかった。
探し続けていた時間
体の変化を、ずっと探し続けていた。
- 食事
- 睡眠
- サプリメント
- 生活習慣
何か原因があるはずだと信じて、
小さな変化を探し続けた。
ジムにも通った。
強くなれば、
不安は消える気がしていた。
筋肉痛が来ると、
どこか安心した。
「ちゃんと前に進んでいる」
そんな証明のように感じていたからだ。
でも今は違う。
自宅や公園で、
懸垂や自重トレーニングをする。
翌日、
筋肉痛が来ない日もある。
それでも、
不安にならなくなった。
変わったのは体ではなく、
結果を求め続けていた自分の感覚だった。
気づいた瞬間
ある日、公園を歩いていた。
特別な日ではなかった。
いつもと同じ景色だった。
ただ歩いているだけだった。
そのとき、
ふと思った。
今までずっと、
「なぜこうなったのか」を考えていたな、と。
理由。
原因。
過去。
ずっと後ろを見ながら
歩いていた。
でも、その瞬間、
自然に視線が前に向いた気がした。
「これから」を考えてみよう。
ただ、それだけだった。
変わっていたもの
気づけば、
少しずつ変わっていた。
家族への当たりも
強くなっていた時期があった。
余裕がなく、
自分でも気づかないほど
尖っていた。
でも、
いつの間にか丸くなっていた。
何かを決意したわけでも、
努力したわけでもない。
ただ、
探し続けるのをやめただけだった。
向いている方向
髪はまだ戻っていない。
状況も、大きくは変わっていない。
それでも、
確かに違う。
以前は
「元に戻る未来」だけを望んでいた。
今は、
この状態のままでも
続いていく未来を考えている。
変わったのは
現実ではない。
向いている方向だった。
もちろん、今でも時々思う。
「もし戻るなら戻りたい」と。
でも、前ほど強くは思わない。
前を見ることの方が、
少しだけ大事になったからだ。
結び
整うとは、
何かを取り戻すことではなかった。
理由を見つけることでも
なかった。
ただ、
前を見ることだった。
眉毛がなくなった日、
未来を見るしかなくなった。
そしてたぶん、
それでよかったのだと思う。
もし同じような経験をした方がいたら、ぜひコメントで教えてください。
あなたはどんな瞬間に「前を見るしかない」と思いましたか?
僕はこの記事で最初の一歩を歩み始めた気がします。


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